村瀬治兵衛工房
「骨格美人」の
漆器づくりに力を注ぐ
![木挽き。自分で鍛造して研いだ鋼の刃物を使う](https://www.monozukuri-setagaya.jp/btoc/wp-content/uploads/2020/02/top_001_Murase.jpg)
![彫刻。指の感覚で少しずつ彫る](https://www.monozukuri-setagaya.jp/btoc/wp-content/uploads/2020/02/top_002_Murase.jpg)
村瀬治兵衛工房の特長は、ベースとなる木地づくりから漆塗りまで一貫して行っているところ。中でも木地づくりは漆器の仕上がりを大きく左右します。目標は「スタイルのいい『骨格美人』の漆器を極めること」と語る三代目村瀬治兵衛さん。そのために作品のイメージをデッサンして、材料となる原木を探すところから始めるので、構想から完成まで10年かかることもあるそうです。
村瀬さんは「今の暮らしに寄り添うものを作ることが、現代の人にも受け入れてもらえる第一歩」と、新しい分野への挑戦にも意欲的です。そのためには伝統や技術だけではなく、時代の要求を読み取ること、今の自分ができる最善を考えることが大切だと話されます。
ギャラリーでも、リビングで楽しめるお茶道具を提案し、自分流のお茶の楽しみ方を勧めています。近年は海外からのお客さまも多く、漆作品の美しさ、使いやすさを世田谷から世界へ発信している村瀬治兵衛工房です。
失敗を繰り返して成長する
若い職人たちに課すのは、すべての工程を習得すること。夜になると自分の専門外の技術を勉強します。
「人と違うもの、人に真似のできない作品を作るには、基本となる技術の裏付けがないとできません」と村瀬さんは言います。はじめは10個のうち9個失敗するような状態だったのが、繰り返して作っているうちに失敗しなくなる。技を習得するには、うまくいったときの感覚や感触を覚えていくしかないそうです。
![](https://www.monozukuri-setagaya.jp/btoc/wp-content/uploads/2020/02/kodawari_001_Murase.jpg)
![](https://www.monozukuri-setagaya.jp/btoc/wp-content/uploads/2020/02/kodawari_002_Murase.jpg)
![](https://www.monozukuri-setagaya.jp/btoc/wp-content/uploads/2020/02/chest_Murase.png)