村瀬治兵衛工房

「骨格美人」の
漆器づくりに力を注ぐ

木挽き。自分で鍛造して研いだ鋼の刃物を使う
木挽き。自分で鍛造して研いだ鋼の刃物を使う
彫刻。指の感覚で少しずつ彫る
彫刻。指の感覚で少しずつ彫る

村瀬治兵衛工房の特長は、ベースとなる木地づくりから漆塗りまで一貫して行っているところ。中でも木地づくりは漆器の仕上がりを大きく左右します。目標は「スタイルのいい『骨格美人』の漆器を極めること」と語る三代目村瀬治兵衛さん。そのために作品のイメージをデッサンして、材料となる原木を探すところから始めるので、構想から完成まで10年かかることもあるそうです。
村瀬さんは「今の暮らしに寄り添うものを作ることが、現代の人にも受け入れてもらえる第一歩」と、新しい分野への挑戦にも意欲的です。そのためには伝統や技術だけではなく、時代の要求を読み取ること、今の自分ができる最善を考えることが大切だと話されます。
ギャラリーでも、リビングで楽しめるお茶道具を提案し、自分流のお茶の楽しみ方を勧めています。近年は海外からのお客さまも多く、漆作品の美しさ、使いやすさを世田谷から世界へ発信している村瀬治兵衛工房です。

失敗を繰り返して成長する

若い職人たちに課すのは、すべての工程を習得すること。夜になると自分の専門外の技術を勉強します。
「人と違うもの、人に真似のできない作品を作るには、基本となる技術の裏付けがないとできません」と村瀬さんは言います。はじめは10個のうち9個失敗するような状態だったのが、繰り返して作っているうちに失敗しなくなる。技を習得するには、うまくいったときの感覚や感触を覚えていくしかないそうです。

根来塗り。漆を塗って乾かして研いで、の 繰り返し。両面を塗るのに3カ月かかる
一つひとつ手づくりで微妙な形の違いにこだわる

メッセージ

大切なのは
考えて続けること

始める前からつまらないと決め つけていると、何もスタートしま せん。とにかく体験してみて欲 しい。最初はできなくても、どう したらうまくいくか考えて考え て続けていると、何かしら自分 にしかできないことが見つかり ます。

三代目 村瀬治兵衛さん

村瀬治兵衛工房

jihei.com


村瀬治兵衛工房
代表者村瀬 治兵衛
所在地世田谷区上馬5-27-3
設立昭和27年(1952年)
主な事業漆芸品の制作
連絡先03-3421-6887
なし